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法政大学経済学部同窓会同窓会特別講座>佐藤良一教授
同窓会特別講座

“Always Challenging!”(『大学案内 2010』の表紙を飾っていた一文)
佐藤 良一 経済学部長
 挑戦には変化への志向が含まれる。“Challenge”をじっとながめていると“Change”が浮かび上がってくる。Challengeから”-lle-”を除けば、まさしく“Change”。ちょっとした言葉遊び。
 経済学部は本年(2010年)に設立90周年を迎える。十年後には100周年。学部として新しい世紀(Century)を迎える。十年一昔という言葉もあるが、見方を変えれば、十年なんてあっという間に過ぎてしまう。多くの人は「二十歳を過ぎると歳をとるのが早い」と言う。「時間の心理的長さは年齢の逆数に比例する」 という説(ジャネーの法則)もあるくらいです。経済学部を90歳の老人に喩えれば、100歳までも「瞬時(?!)」かもしれない。新たな世紀(Century)に備える、この時機(Chance)をとらえて、果敢にChallengeして、組織を変革(Change)していかねばならない。
 このように4Cで、経済学部の現在(いま)を語れるかな、と思いついて、ネットでキーワード検索してみた。世の中には、似たようなことを考える人がすでにいて、会社、教育の現場で「3C目標」という言い方が結構流布していることがわかった。Chanceの前にCrisisをおいて、「この危機をチャンスとして」という使われ方もあった。経営戦略論には、Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company (自社)の3Cの視点の必要性を説く議論もある。また、車 (car)、エアコン (cooler)、 カラーテレビ (color TV)の3C(新・三種の神器)を思い出す。
 3Cが取りざたされた成長期と違い、現代は「喪われた十年(あるいは二十年)」と言われる。日本社会/経済は危機の時代。とくに若い世代が〈生きづらい〉時代であるとも指摘される。だからこそ、逆説的に〈希望〉を語らねばならないという思いを強くもった。そこで、学部長になるときに考えた経済学部のキャッチコピーが「HOPE(Hosei On“P”Economics):希望の経済学」であった。“P”で始まる単語として、人びと(People)、平和(Peace)、分別のある(Prudent)など、多様な言葉を挙げられる。人びとが希望をもって生きられる社会を構築するための経済学を法政大学から発信しようというメッセージである。
 将来社会のイメージをどのように表現すればいいのだろう。菅直人氏は、首相就任会見の冒頭で次のように述べた。

「私は政治の役割とは、国民が不幸になる要素、あるいは世界の人々が不幸になる要素をいかに少なくしていくのか。最小不幸の社会を作ることにあると考えております。」

 〈最小不幸社会〉が目標として掲げられた。「所得倍増」が謳われた時機もあったのに比べるとややネガティブなイメージがある。経済学の入門講義で学ぶように、限定された範囲で言えば、利潤の〈最大化〉と費用の〈最小化〉はコインの表裏に過ぎない。しかし、一国のリーダーが唱えるメッセージとしては「大きくする」方が受け入れられやすいだろう。ブータン国王の「国民幸福量」にならって〈最大幸福社会〉と言ったほうが良かったのかも知れない。あなたが目指すのは「○○社会」と問われたとき、さて、空欄になにが入るだろうか。
 幸福にしろ、不幸にしろ、人によりさまざま。一つの尺度で測り得ない。数多くの人たちの、多様な思いを実現する社会はどうすれば実現できるのか。ここに〈社会〉科学としての経済学の困難があり、そして挑戦する楽しみがある。
 “Always Challenging”の心意気をもち続けたい。とはいえ、「挑戦し続けるぞ」と肩に力を入れると疲れてしまうので、Enjoyする余裕をもって。

(2010.7.10)

佐藤良一教授 筆者:佐藤 良一(さとう よしかず)
※写真はゼミ生作成の佐藤先生のフィギュアです
1950年、東京生まれ。
早稲田大学政治経済学部卒業後、神戸大学大学院に学ぶ。
その後、富山大学にて教壇にたつ。
1996年、法政大学経済学部教授として赴任。
専攻 理論経済学
(詳しくは佐藤良一先生のホームページを参照されたい)