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法政大学経済学部同窓会同窓会特別講座>会計学の教師として母校の教壇に立って
同窓会特別講座

会計学の教師として母校の教壇に立って
竹口圭輔 教授
 母校である法政大学に会計学の教員として着任してから早くも8年が経過した。この間、現代ビジネス学科が新設されるなど経済学部における会計学教育も拡充されてきた。現在では、会計担当の同僚も得られ、着任当初に比べると隔世の感がある。もっとも、本学には経営学部もあるだけに、「経済学部における会計学教育」のアイデンティティをいかに保持するかを常に意識してきたようにも思う。
 現時点での私なりの答えは、会計情報の「作成」よりも「読解」に重点を置いた授業を行うことである。すなわち、企業が公表する会計情報を読みこなせるようになることで、経済学やファイナンスの授業で培った知識に奥行きを与えられ、立体感をもった知識体系を教授できるのではないか、そして企業行動や社会情勢に対するリアルな想像力を育めるのではないかという思いである。幸い、経済学部には企業を素材とした授業が豊富に展開されており相乗効果を得やすい。実際、学生は無味乾燥としがちな会計情報の背後にあるストーリーを巧みに読みこなせるようになってきたと感じている。
 こうした会計学教育の傍らでボランティア的ではあるが、「多摩公認会計士講座」を運営してきた。同講座では公認会計士の輩出を目的に、本学専任教員やOB/OG会計士が指導にあたっている。具体的には、簿記の初学者を対象に、日商簿記検定の3級の指導からスタートし、2級、1級とステップアップしていき、公認会計士試験に向けて基礎固めを行っている。その意味では、学部授業では不足している会計情報の「作成」に重点を置いた場であるといえよう。
 周知の通り、公認会計士という資格試験は、医師、弁護士に並ぶ難関国家試験である(昨年の合格率は6.5%であった)。現行制度では、年2回実施される短答式試験に合格し、その上で年1回実施される論文式試験に合格することで、試験合格者として認定される。その後、2年以上の業務補助等に従事し実務補習を修了することで、晴れて公認会計士として登録することができる。
 過去5年における、本学及び経済学部からの合格者数の推移は以下の通りである。
     2007年 62人(うち、経済学部11名)
     2008年 71名(20名)
     2009年 49名(10名)
     2010年 49名(17名)
     2011年 34名(10名)
 数字だけみると悪化しているようにもみえるが、これは政策の影響によるものであるといえよう。というのも、公認会計士総数の増大を目的に合格要件が緩和され、2007年、2008年試験では合格者総数が3,000人程度まで増大した。しかしその後、リーマンショックを受けて監査法人が採用人数の大幅削減に踏み切るなど試験合格者の雇用情勢が急速に悪化した。こうした情勢を受けて、合格者総数は減少の一途をたどっている。現在では1,500人程度しか合格できず、今後も1,200人程度まで縮小される見込みである。こうした影響から、本学からの合格者数も2008年をピークに減少してきている。加えて試験合格者の就職難が報道されるなど、会計士を目指す学生にとっては冬の時代ともいえる状況にある。
 ところが、経済学部からの合格者に限ってみると、必ずしも悪影響を受けているようにはみえない。むしろ、全学に占める経済学部からの合格者数比率は増加傾向にあり、ここ数年は在学生の合格者もコンスタントに輩出できるようになってきている。会計学教育の拡充や多摩公認会計士講座の存在がどこまで貢献できているか正確なところはわからないものの、少なからず経済学部生の「会計」に対する関心を広げ、公認会計士を目指す学生の背中を押してきたのではないのだろうか。
 公認会計士試験合格者数は、受験生をはじめ外部からも大学のステータスを測る上でわかりやすい指標である以上、今後もこの数字にこだわっていきたい。潜在的には、経済学部からも経営学部に匹敵するだけの合格者を輩出できるはずであると確信している。そうなれば大学ランキングでトップ5に入るのも夢ではないだろう(現状は10位前後である)。もっとも、公認会計士を目指す上で、ダブルスクールを欠かせないのが実態である以上、経済学部の学生が立地の制約を受けている感は否めない。様々な方策が考えられるが、まずは現状のボランティア的な組織運営から脱却し、今後は大学をあげて資格取得を目指す学生をバックアップする体制を作っていくことが望まれる。もちろん、後援会の皆様によるサポートにも大いに期待したい。  一方で、多くの経済学部生にとって、公認会計士試験は縁遠いものであり、就職活動を経てビジネスマンとして社会に巣立っていくケースが大半であろう。その意味でも、会計学教育を担っている教員として、引き続き、会計情報の読解力に長けた学生を育てていくことに重大な責務があることに変わりはない。今後も読解力育成と作成力育成の最適な均衡点を探しつつ、真に会計的なセンスを備えた学生を育てていくことで、経済学部のさらなる発展に貢献していきたい。

竹口圭輔教授 竹口 圭輔(たけぐち けいすけ)

1996年 法政大学経営学部経営学科卒業
2001年 一橋大学大学院商学研究科博士後期課程単位取得
大和総研を経て、2004年4月より法政大学に着任

主要業績
『IFRS・IAS(国際財務報告基準・国際会計基準)徹底解説』(共著)
                     税務経理協会、2009年11月
『エッセンス簿記会計<第8版>』(共著)森山書店、2012年3月
『企業会計研究のダイナミズム』(共著)中央経済社、2012年5月(予定)