2017-03-20
第13回公開「グレードアップ講座」開かれる

 第13回公開「グレードアップ講座」は去る2月25日(土)ボアソナードタワー8階806教室にて講師に法大法学部の山口二郎教授をお招きして約30名が参加のもと開催されました。テーマは「現代民主主義の危機と憲法」を基に政治の危機と私たちの選択についてお話しいただきました。
講話の概要「昨日ロンドンから帰ったが、2大政党制の本家のイギリスが日本的になっている。その日本はアベ化する情勢にある。アベ化とは、自己愛の強い幼児的リーダーの跳梁跋扈、批判への耐性の消滅、虚言・デマをためらわない、事実と虚構の区別が出来ない反知性、また戦争の出来る国となった日本、情報をコントロール、メディアの抑圧、公的人事にも手を付け、個人のライフスタイルまで国民の画一化を図る様相などがアベ政権の特徴である。
片や米国も雇用や格差問題などで不満のはけ口がトランプを大統領に選択。経済はウィナーテイクオール(一握りの勝者が全部取り、大半の敗者が益々困窮する)化で格差が拡大。大統領は移民排斥や差別等の過激な発言を繰り返し、メディアとの関係も劣化。また大統領令を乱発するが米国は三権分立が確立しており司法も毅然と抑制機能を発揮する。日本は議院内閣制で立法権と行政権の融合で国会の権能が画餅化し長期政権での大きな影響力は司法をも委縮させる。
憲法問題で押し付け論があるが、ボツダム宣言の受諾による民主主義復活強化の改憲起草は識者が行い米国から一方的に押し付けられたのではない。
現政権が支持されているのは、野党に魅力がない、他に選択肢がない、経済政策も漠然と支持している。今の一強体制は権力の暴走を生み自制するノリがない、からである。
その歯止めとなるのは選挙における国民の意思表示しかない。
この政治の危機的状況を転換させるため有識者等々さまざまな活動をしているが中々うまく進まない。今後の政権交代を見据えれば選挙での与党との対立軸を作り共有する。争点として解りやすのは原発問題が一番であり、野党の結党力と政策の共通化が重要である」と結ばれた。
講座後の懇親会は教授が急用でご一緒できなかったのは残念でしたが大勢の方が参加され大いに盛り上がりました。

(斎藤孝夫)