経済学在職中に私のゼミ生が箱根駅伝に何人かが出場することがあって以来、私は、親しい経済学部の事務職員と一緒に「駅伝友の会」を創って、箱根駅伝を、応援し永い間観てきた。

 今回の法政勢が苦戦を重ねつつ10区の最終1キロ近くで強豪東海大学を追い越して、シード権をえたことは久々の大感動であった。

 特に、6大学でしばらく姿を見せない慶応、駅伝最有力校の明治、早稲田がシード落ちしている中で、法政のシード権獲得は、極めて価値が高い。

 永年の箱根駅伝ウオーッチャーとしては、近年、新興の大学が、正月の恒例行事としてテレビで30%近くの高視聴率をとる箱根駅伝の宣伝効果に注目し、大学をあげて駅伝チームの強化に狂奔している。そのために膨大な資金を費やしたり、中には選手の卒業を保証し選出を集める大学スポーツのモラルを外れる措置も取られていると聞く。

 片や、法政大学などの総合大学は、他に様々なスポーツクラブを抱えており、駅伝だけを大学として優遇できない事情もあり、また選手の学業成績を無視して卒業させるというような非教育的な措置などできない。

 そうした状況の中で法政の駅伝選手たちは、学業に励みつつ日々練習を続けてきたのである。よく法政は何故優勝できないのか、と嘆く卒業生が少なくないが、さまざまな苦境の中で頑張っている法政の駅伝選手たちにそんな軽々しい言葉は決してかけられない。

 私は、駅伝選手たちによく頑張ったと激励の言葉をかけたい。同時に法政同窓生とともにそれを心から祝福したい。

村串仁三郎(経済学部同窓会副会長)