2018-03-13
第14回公開「グレードアップ講座」の報告

第14回公開「グレードアップ講座」が去る2月3日₍土₎ボアソナードタワーの805教室で開催されました。当講座も始めてから早6年が経過しました。
今回は講師に経済学部の小黒一正先生をお招きし、「日本の財政危機の深層―アベノミックスの功罪―」をテーマにお話しいただきました。
講話の概要:「現在の国の予算は一般会計の歳出と歳入は共に97兆円、それに特別会計などを合わせ230兆円余り(GDPの約2割)である。税収の不足の34兆円は国債を発行。バブル期後と同じ頃から高齢化の進展に伴い税収が伸びず、税収と歳出との乖離分が借金として積み上がり今1千兆円の債務になっている。
今安定してるのは低金利で日銀が大量の国債を抱えPB上は均衡を保っている。
アベノミックスは成功すると思えないし現在低い成長率下で低金利だが金利が上がればコストも上がり国民にも反動が出る。消費増税の先送り等で財政再建も進まず既に手遅れとの見方もあり、そう遠くない内に行き詰まる。日銀が国債を持つことで財政再建できるとするネット記事等はあり得ない。借金は返さなければならずフリーランチ(ただ飯)はない。国民の負担なしに財政再建は不可能。膨張する社会保障の改革でスリム化も限界があり増税せざるを得ない。簡単ではないが限られた財源で財政を持続可能とする改革に早く手を打つ必要がある」など述べられた。
今の状況のまま現政権が続く可能性は高いとの見方もされており、国民はこの危機的状況にもっと関心を持ち新聞記事等を注視する必要があるかと思います。
尚、講座後の懇親会には先生もご一緒され大勢が参加されて盛会でした。

(組織部会:斎藤孝夫)