12月19日(土)13時から、経済学部棟305教室で学生21名、教員3名、同窓会員6名、計30名が参加して第11回経済学部学生ディベート大会が開催された。経済学部創設100周年記念事業の一環として10月31日に開かれた第11回プレゼンテーション大会に続いて、新型コロナウイルス感染症拡大のさなかに行われたものである。

13時から始まった大会は、先ず鈴木豊経済学部長と学生会代表の佐藤萌花さんから開会挨拶があり、続いて審査方法、ルールの説明の後決勝戦が始まった。
鈴木学部長からは、コロナ禍のため通常の6月実施ができなかったことのお詫びの言葉が述べられた。

鈴木豊経済学部長開会挨拶

学生会代表挨拶 佐藤萌花さん

12月4日、11日の予選では3ゼミ、5チーム(約25名)が参加し、2つの論題のもとで戦いが繰り広げられ、大会当日は下記のテーマで予選を勝ち抜いた中谷ゼミAチームと中谷ゼミBチームによって決勝戦が行われた。

「日本は東京一極集中を改善すべき」というテーマのもと両チームは肯定、否定それぞれの立場から白熱した議論を戦わし、立場を替えた入れ替え戦も行った。教員の平瀬友樹先生、朴 倧玄先生、同窓会の花澤良三氏、嶋 崇氏の計4名の審査員による採点の結果、優勝は中谷ゼミAチーム、準優勝は中谷ゼミBチームとなった。論理性や資料・データの分析力などを競う熱のこもった両チームのディベートは、前半戦はBチームのリードで進んだが、後半戦でAチームの追い上げがあり、結局、上記の通りの結果となった。

審査員の方々(前列向かって左から平瀬先生、朴先生、花澤氏、嶋氏)

優勝 中谷ゼミAチーム

準優勝 中谷ゼミBチーム

参加者の多くは、「東京一極集中を改善すべき」という大テーマに対して真正面から立ち向かう両チームの迫力に圧倒されながら、世界の金融情報センターとしての役割を持ち、労働生産性の向上と経済成長の促進が期待できる半面、地震災害の可能性、過密化・肥大化による交通渋滞等の市民環境の悪化、人口減少による地方衰退等の問題を抱える東京の実情について、改めて考えさせられたように見えた。

表彰式の後、審査員による講評、最後に村田紀敏同窓会会長の挨拶、学生会代表の芦沢幸香さんからは閉会の挨拶があり3時間におよぶ大会は幕を閉じた。

村田紀敏会長からは、米大統領選を契機に分断化社会、民主主義の崩壊が叫ばれる中、このような大会によって真実・本質を見極める訓練の機会が与えられたことは喜ばしいことであるという発言があった。

村田紀敏同窓会会長挨拶

学生会代表閉会挨拶 芦沢幸香さん

最後に、参加チームや企画の運営に携わってきた学生会役員の皆さん、コロナ禍の中での奮闘ご苦労さまでした。この大会で優勝、準優勝の栄誉に輝いた中谷ゼミAチームの上田稜真さん、中谷ゼミBチームの箱岩潤さんからは喜びのメッセージが、大会の運営を取りまとめてきた学生会代表の芦沢幸香さんからは感謝のメッセージが寄せられているので以下に紹介したい。

 

(文・菅野里見/写真・伊藤 章)

 

第11回学生ディベート大会に参加して

国際経済学科2年 中谷ゼミAチーム 上田稜真

まず初めに、ディベート大会の運営をしてくださった学生会の皆様を始め、教授会の皆様、経済学部同窓会の皆様、本当にありがとうございました。皆様の厚い御協力のお陰で、コロナ禍においてもディベート大会に参加することができました。今回のディベート大会を通して、様々なデータを多角的視点から精査し、さらにそこから自分たちの立論を論理的に組み立てるプロセスを身を持って学ぶことができました。この大会で学んだことをこれからの大学の諸活動や就職活動に活かしていきたいと考えております。

経済学科2年 中谷ゼミBチーム 箱岩潤

今年度の授業がコロナの影響によってなかなか対面化されない中、学生会、教授会、同窓会の方々のご協力のもと今年もディベート大会が開催できたこと、とても感謝しています。今回の論題はどれも近年賛成、反対の立場から様々な視点のもと議論されているものであり、ディベートをする立場としても幅を持たせることができるためとてもやりがいを感じました。毎回審査員の方々からいただくフィードバックから、自分たちの論理やデータについてさらに深く見つめ直し、次のディベートに生かすことができました。決勝戦では教授方からのより専門性の高いコメントをいただき、ここから得られた経験を次のディベートやその他の機会に活かしたいと感じました。最も印象に残ったコメントは、ディベートにおいて一見正当性があるように見える数値データは、その背景や因子などさまざまなものが絡み合った結果であり必ずしも因果関係を裏付ける証拠になるとは限らないと言った内容のものでした。今大会のおかげで、とても有意義な時間を過ごすことができました。本当にありがとうございました。

現代ビジネス学科3年 学生会代表 芦沢幸香

コロナウイルスの感染が拡大する中、同窓会や教授会を始め多くの方々のおかげで大会を充実したものにできました。学生ディベート大会にご協力いただきありがとうございます。大会開催のため学生会ではメンバーが採点・議題作成・司会・抽選のいずれかの役割に属し、自らの担当に責任を持ち活動していました。さらに、学生会メンバーだけでなく大会に出場する選手自身からもより良い大会を作り上げるために多くのご意見がありました。参加チーム数は少ない大会でしたが、これらのように学生自身が積極的に大会を盛り上げようという意識のもとにディベート大会を開催できたことをうれしく思います。このような土壌を学生会として大切にしつつ、法政大学経済学部を盛り上げて参りますので、今後もご支援のほどよろしくお願いいたします。