同窓会員のみな様のもとには『法政大学経済学部100周年記念誌』は届きましたでしょうか。表紙には、法政大学駅伝チームのユニフォームを着た経済学者たちが、たすきリレーをしている様子が描かれていますが、まさに同じユニフォーム、たすきで1月の2~3日、箱根駅伝が行われました。

本年は応援自粛要請が出されたため、出発地点である大手町の読売新聞社前は閑散とした様子。スタートの号砲に合わせ全21チームの選手が飛び出したわけですが――中継のアナウンサー、解説者も思わず黙り込んでしまうほどのスローペース。観客のありとなしでは、これほど影響の出るものなのでしょうか。

団子状態の中から中継地点の少し前で仕掛けたのは法政大学の鎌田航生。猛追する東海大を5秒差で振り切ってのたすきリレー。中継地点で法政大学が大写しになるのは、本当に久しぶりです。

しかし残念ながら、2区で失速。16位に沈みます。その後も順位は上げられず、往路は16位でフィニッシュ。今年は、往路5区の箱根小涌園前での観戦を予定していたのですが、それもかなわず。毎年キャラクターのぬいぐるみたちが飛び跳ねながら応援をする箱根小涌園前も、人気はほとんどありません。声援のない上り坂は、選手たちにとって例年になくきついものだったでしょう。

翌日の復路は先頭の創価大より約9分遅れてのスタート。その後の我が法政大学のチームは……と目を凝らしながら見ていると、飛び込んできたのは往路12位の青学大の猛進撃。前日には原監督が「ゲームオーバーになりましたね」と言っていたのに、選手たちが「オレたちの実力はこんなもんじゃない」と言い合っての猛追とか。監督を超えるようなチームを作り上げた原監督の力量に脱帽です。

復路は3位の東洋大以降が長めの数珠つなぎとなったものの、法政大学は順位を上げられず17位でのフィニッシュ。やりきれない思いの方もいたと思いますが、私が気づいたのは、専修大、山梨学院大という、名門、常連校もタイムオーバーでたすきをつなげなかったこと。厳しい予選会を勝ち抜いたチームでも、たすきをつなげないところがあるのですから、法政大学が最後までたすきをつないだのは、それだけでも価値のあることなのかもしれません。

昨年は、大磯付近で応援をしたのですが、沿道で観戦していると、参加大学全部で「チーム」のような連帯感を味わいました。優勝した駒沢大、4位まで追い上げた青学大の見事な意地に拍手を送りつつ、来年の法政大学の活躍を期待したいと思います。

嶋崇(経済学部同窓会組織部会長)