法政大学経済学部同窓会は 創立25周年を迎えました 法政大学経済学部同窓会事務局 〒194-0298 東京都町田市相原町4342 電話・FAX:042-783-2550 (火・水・金曜 9時〜16時) |
法政大学経済学部同窓会>森嘉兵衛賞>第15回>B賞
■著者略歴 東京生まれ 学歴 1986年3月 法政大学文学部日本文学科卒業 1995年4月 法政大学大学院社会科学研究科経済学専攻入学 1997年3月 同経済学専攻終了 経済学修士 職歴 1986年3月 学校法人東放学園講師就任 2000年4月 長崎国際大学人間社会学部国際観光学科助教授就任 2004年4月 同教授就任 今日に至る 研究業績 著書 1996年 『トラジャ紫の大地』(西田書店) 2006年 『雲の上の哲学者たち』(西田書店) 主要論文 2005年 「東・東南アジアにおける沖縄の地域間ネットワークの形成と変遷に関する総合的研究」科学研究費助成(B)成果報告書所収 2006年 「トラジャにおける葬制と表象の地域的特徴」、法政大学沖縄文化研究所編『沖縄文化研究32』 2006年 「トラジャ農村社会の伝統的・制度的特徴」、『経済志林』第73巻第3号 その他、書評、論文、報告書など多数 ■講評 今年度の森嘉兵衛賞B賞『雲の上の哲学者たち』(西田書店,2006年、1,500円、全206頁)の著者細田亜津子氏は、法政大学文学部では琉球文学、沖縄の文化、歴史を学び、1986年に卒業後、社会人として過ごしつつ、91年にインドネシアのトラジャ山岳民族と出会い、その後トラジャを毎年訪ねては、トラジャについて体験し研究を続けてきた。その成果は96年に『トラジャ紫の大地』(西田書店)を出版している。それに先立って著者は、95年に法政大学社会科学経済学専攻修士課程の社会人コースに入学し2年間開発経済学を学び、その後2000年に長崎国際大学の助教授に就任し、今日にいたっている大変ユニークな学者である。 本書の目次は、以下の通りである。
本書は表題と目次からは分かりにくいが、インドネシア、スラウェシ島のタナ・トラジャ県の山岳少数民族についての経済、文化、民俗、生活について長年の滞在を経て観察した記録である。それはここでは詳論できないが、山岳に追いやられたゆえに未開に近い少数民族が維持してきた、また現代人が失った人間らしい生活、同じことだが家族、共同体、モノと人、生と死との関係の中での人間らしい有り様が、近代化の波に曝されながら、残存し維持されている実態を長年の観察、トルジャ族との交流の中で把握し報告したものである。 経済学部名誉教授 村串 仁三郎 |