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法政大学経済学部同窓会>森嘉兵衛賞>第15回
本学経済学部の新進の教員である馬場敏幸氏のA賞『アジアの裾野産業』は、これまで基幹産業の基幹部分にのみ注がれてきた研究対象を産業基幹部分ではなく、基幹産業の裾野分野、具体的にはアジアの組み立て産業である自動車、電機産業が抱える実に膨大な部品生産分野に移して、その問題点を実証的に研究したものである。本書の具体的な評価については別掲の講評にゆずるとして、審査委員会は本学経済学部助教授の馬場氏の『アジアの裾野産業』を優れた研究としてA賞を授与することを決定した。 本学の大学院経済学専攻修士課程修了者で長崎国際大学教授細田亜津子氏のB賞『雲の上の哲学者たち』は表題からは分かりにくいが、インドネシア、スラウェシ島のタナ・トラジャ県の山岳少数民族についての経済、文化、民俗、生活について長年の滞在をへて観察した記録である。本書は単なるルポではなく、著者が別途に発表している学術論文に裏うちされたものであり、山岳少数民族についての優れた研究となっており、審査委員会は本書が地方史研究に授与する森嘉兵衛B賞にふさわしいものであると判断した。 昨年、本学経済学部を定年退職された村串仁三郎氏の特別賞『大正昭和期の鉱夫同職組合「友子」制度』は本来B賞として推薦され、多くの委員からB賞に推挙されたものであるが、村串氏自身が森嘉兵衛賞の設立に関わり、かつ森嘉兵衛賞の審査委員ということもあってB賞を辞退したため、次善の策として特別賞を授与することに決定した。講評に詳しく指摘されているように、村串氏の著書はすでに学会では高い評価を受けてきたものであり、森嘉兵衛賞にふさわしい労作である。
2007年3月末日
■各賞受賞者 |